冨安健洋、鎌田大地はやや有利か CLグループステージを突破するのはどこだ (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

【最激戦区のPSGをどう見るか】

 グループEは混戦模様。そして最激戦区はグループFで、1番手と目されるパリ・サンジェルマン(PSG)をどう見るかで混戦度は変動する。ネイマールとリオネル・メッシがいた昨季までは、やりようによっては欧州一に輝く可能性を秘めていた。ゴンサロ・ラモス、マルコ・アセンシオ、ウスマン・デンベレらを獲得した今季はどうなのか。金満クラブにありがちな雑さが薄れ、好チーム色が芽生えていることは確かである。

 競争原理が働きにくいフランスの優勝チームにとって、ブンデスリーガ、セリエA、プレミアというUEFAランク上位国の2位チーム(ドルトムント)、及び4位チーム(ミラン、ニューカッスル)は難敵だ。ルイス・エンリケ新監督の采配次第。腕の見せどころである。いずれにしても全試合、決勝トーナメントレベルの好勝負となるに違いない。

 グループCを戦うレアル・マドリードは、のるか反るかの局面にある。2位以内は固いと先述したが、昨季、準決勝を戦ったマンチェスター・シティとの差はさらに開いたと見る。カリム・ベンゼマ(アル・イテハドに移籍)が抜けた穴は大きい。アセンシオもPSGへ移籍した。

 その結果、カルロ・アンチェロッティ監督は布陣を変更。両ウイングを置く3FW系のサッカーから、中盤ダイヤモンド型の4-4-2に舵を切っている。2トップ下に座るドルトムントから獲得した20歳のイングランド代表選手、ジュード・ベリンガムは将来有望な大物選手だが、サッカーそのものは高い位置からプレスをかけにくい、後ろに重たいものに変化した。方向性という点においても、ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティとの差は顕著になっている。CLで3連覇を達成した頃の勢いはないと見る。

 大会名称がCLに変更された1992-93シーズン以降、大会を連覇したチームはそのレアル・マドリードだけだ。今季のマンチェスター・シティはそれに次ぐチームになれるか。

 ブックメーカー各社はその優勝倍率を3倍にしている。続くバイエルン6.5倍、レアル・マドリード9倍と、2番手3番手との差は大きい。

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