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南野拓実に失格の烙印を押した地元紙も絶賛 昨季からの変化は「力勝負のボールロス激減」 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【2シャドーの南野は実に厄介】

 そして迎えた新シーズン。

 プレシーズンマッチのアーセナル戦やバイエルン戦で南野が見せたプレーからは、昨シーズン後半戦に取り組み始めていた課題を強く意識していることが垣間見られた。のちに新指揮官のヒュッターも認めたように、南野自身がプレシーズンで積み上げたことの成果が、そのまま開幕後の2試合につながったと言えるだろう。

 実際、今季のクレルモン戦でもストラスブール戦でも、南野が見せたトラップ、ドリブル、キックの精度は高かった。キャプテンでエースの1トップ、FWウィサム・ベン・イェデルへのフリックパスも、相手を惑わすという意味において実に効果的だ。

 相手選手にとってみれば、現在の南野は厄介だ。

 たとえば素早く寄せて潰しにかかろうとすると、寄せる前にダイレクトパスで展開されるので安易に近づけない。逆に、間合いをとって守ろうとすると、今度はドリブルで前進を許し、視野を確保された状態でパスやシュートをされる。

 要するに、常に南野の間合いとリズムでプレーされてしまうから、いくらフィジカルバトルに自信があっても、止めるのは簡単ではない。

 さらに、ヒュッターが採用する3-4-2-1も、南野にとってはプラスに作用している。

 これまで南野が任されているのは、2シャドーの一角(右)。ヒュッターが重視する前線の守備は、ザルツブルク時代、リバプール時代に磨きをかけた仕事なので難なくこなすことができるうえ、攻撃面では10番の仕事に集中できる。また、前を向いた状態でプレーすることも多いため、ストラスブール戦のようにミドルレンジからでも思いきってシュートを狙える。

 そしてなにより、南野の最大の武器でもあるボックス内でのプレーが増加した。当然、ゴールやアシストをマークする確率は高くなる。

「好調モナコ、タクミ・ミナミノの躍動とともに始まったシーズン」

 第2節ストラスブール戦の翌日、昨シーズンの南野に"失望"の烙印を押したフランスのレキップ紙は、一転して現在の南野の活躍ぶりを賞賛。昨シーズンはフィリップ・クレマン前監督が採用した4-4-2の犠牲者となり、フィジカルの準備に失敗した南野がその不振から脱出することに成功した、と報じた。

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