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日本サッカーがマンチェスター・シティから学ぶべきこと グアルディオラを良薬に (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【注目はジョン・ストーンズ】

 この攻撃的な姿勢が奏功したのは、昨季のCLで大一番となった準決勝レアル・マドリード戦の第2戦だ。第1戦の結果は1-1。両者はその前のシーズン(2021-22)も準決勝を戦い、マンチェスター・シティは終始リードを奪いながら、後半のロスタイムに3連続ゴールを浴びて大逆転負けを喫していた。昨季の第2戦は緊張感溢れるなかでの戦いだった。

 レアル・マドリードのストロングポイントは、ヴィニシウス・ジュニオールが左ウイングを務める左サイドであることがハッキリしていた。だがグアルディオラは、マンチェスター・シティにとっての右サイドの守りを固めようとしなかった。目には目をとばかり逆に前に出た。その攻撃的な姿勢が先制点につながった。

 ストーンズはマイボールに転じるや、ポジションを守備的MFの位置に上げた。しかしパスワークのなかでさらに前進。ロドリ、ベルナルド・シウバがつないだボールを右の高い位置まで進出し、右ウイング然として受けた。瞬間、マンチェスター・シティの右サイドにはストーンズ、カイル・ウォーカー(右SB)、内に入ったベルナルド・シウバ(右ウイング)、ケヴィン・デ・ブライネ(右インサイドハーフ)の4人が四角形を描く、確固たるパスコースが築かれた。三角形ならばレアル・マドリードに対して数的同数だった。四角形であるところがミソだった。

 均衡を破る先制点は、その3つ先のプレーで生まれた。得点者はデ・ブライネのラストパスを受けたベルナルド・シウバだったが、こちらの目にはそれ以上に、4人目として加わったストーンズが目に留まった。

 23日の横浜FM戦。注目選手をひとり挙げるならばストーンズだ。同時に、そのポジション移動に伴う布陣変更にも目を凝らしたい。

 横浜FMも右SBが真ん中に入るサッカーを展開していた。過去形になるのは、最近はセールスポイントではなくなっているからだ。川崎フロンターレも今季の初め、右SB山根視来に似たような役割を課したが、企画倒れに終わっている。

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