「セリエA復権」となるか 欧州3大カップ戦決勝すべてに登場 イタリア人記者が疑り深くも期待する理由 (3ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【ローマ対セビージャは実力均衡】

ヨーロッパリーグ決勝をセビージャと戦うローマのジョゼ・モウリーニョ監督 photo byAP/AFLOヨーロッパリーグ決勝をセビージャと戦うローマのジョゼ・モウリーニョ監督 photo byAP/AFLOこの記事に関連する写真を見る それに比べると、両チームの力が均衡しているのがELだ。ジョゼ・モウリーニョ率いるローマは昨年のECLの覇者。一方、セビージャは準決勝でユベントスに苦戦したが、2006年から2020年の間に6回もELで優勝している。

 モウリーニョは「目的を達成すればどんな手段も正当化される」という言葉を信じ、準決勝のレバークーゼン戦では、GKルイ・パトリシオの前に鉄壁の壁を作った。「時代錯誤のカテナチオ」と批判されたが、準決勝を突破するためには効果的だった。ただ、セビージャ戦ではもちろん、守るだけでは不十分だ。どうしてもゴールが必要になる。リードしていたのに追いつかれ、追い抜かれたユベントスが教訓になるだろう。

 一方、ECL決勝を戦うフィオレンティーナは少しだけ不利かもしれない。対戦相手のウェストハムは実に47年ぶりにヨーロッパカップ戦の決勝で戦うチームだが(1975-76のカップウィナーズカップ決勝が最後)、ここまでの成績は13勝1引き分けと圧倒的な強さを見せている。また、ウェストハムにはイタリアのチームを熟知する選手もいる。元ミランのルーカス・パケタ、元トリノのアンジェロ・オグボンナなどだ。

 しかし、不利とはいえ、フィオレンティーナが一方的にやられるわけではないだろう。準決勝、フィオレンティーナはホームでバーゼルに1-2で敗れたにもかかわらず、敵地の第2戦は1-3で勝利し、結果を覆した。こうした粘り強さと精神力の強さはフィオレンティーナの大きな武器だ。

 5月31日のEL決勝ローマ対セビージャ(ブタペスト)を皮切りに、6月7日のECL決勝フィオレンティーナ対ウェストハム(プラハ)、そして大トリ、6月10日のCL決勝インテル対マンチェスター・シティ(イスタンブール)と続く。もしイタリア勢がすべてのタイトルを制することができたならば「セリエA復活」とまでは言わないが、復権への大きな弾みになるだろう。

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