三笘薫以上の選手はイタリア代表、スペイン代表にいない 左ウイング輩出国がわかる歴代ベスト20選手 (4ページ目)
【7位】ガレス・ベイル(ウェールズ)=左利き
ウェールズ代表の左利きの左ウイングと言えば、ライアン・ギグスをまず想起する。ボールを足下に置き、細かなタッチで相手の逆を突きながら技巧的なドリブルを魅せるギグスに対し、ベイルは直線的で推進力に溢れていた。身体もギグスよりふた回りほど大きく、がっしりとした体型から繰り出すドリブルは戦車を連想させる迫力があった。
サウサンプトンでデビューした当時は左サイドバックで、低い位置からグイグイと数十メートルドリブルで持ち運び、16歳とは思えぬパワフルなクロスを蹴り込んでいた。トッテナム・ホットスパーを経てレアル・マドリード入りしたのは2013-14シーズン。カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドと形成した3トップはBBCと命名され、一世を風靡した。
右より左のほうが、居心地がよさそうだったクリスティアーノ・ロナウド。CF役のベンゼマも同様に左のほうが得意だったため、ベイルは必然的に右に回ることが多かった。内より縦に行くのが得意で、右足キックが得意ではないベイルが、BBCのなかで最も輝けなかった理由と考える。CL決勝には2013-14シーズン以降、5年間で4度出場しているが、後半の2回はベンチスタートだった。ウェールズ代表としてはユーロ2016で真髄を発揮。中心選手として制限なく動き回り、小国をベスト4に導いた。
(つづく)
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
フォトギャラリーを見る
4 / 4