マンチェスター・シティがCL頂点へ王手 難敵レアル・マドリードを崩しきった先制ゴールは十八番の形 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
デ・ブライネが中で受け、カマビンガの背中でフリーになったベルナルド・シウバへスルーパス

 マンチェスター・シティが、得意な形で綺麗に崩した場面である。

 ストーンズが右サイドでボールを受ける前に、ベルナルド・シウバがオープンになった右サイドでロドリからサイドチェンジのロングフィードを受けている。さらにそこへ中央にいたストーンズが右ポケット(ペナルティーエリア内のハーフレーン)を取るように斜めに動いてボールをもらい、最初のイラストの場面になった。

中のデ・ブライネがパスを受け、ポケットにフリーで入ったベルナルド・シウバへスルーパス中のデ・ブライネがパスを受け、ポケットにフリーで入ったベルナルド・シウバへスルーパスこの記事に関連する写真を見る レアル・マドリードのDFラインはサイドバックのカマビンガがサイドに釣り出され、左センターバックのダビド・アラバとの距離は大きく空いていた。これでオープンになったポケットに走ったストーンズに対しては、トニー・クロースがついていったが、それもストーンズがサイド流れたことで釣り出された。

 これだけ振り回されてフリーのウォーカーにバックパスが通り、カマビンガが対応に出た時にはストーンズと入れ替わりでポケットに入ったベルナルド・シウバがフリーとなっていた。

 ウォーカーはカマビンガを十分に引きつけてから左横のケビン・デ・ブライネへパス。この時、ルカ・モドリッチは背後を取られるのを恐れてデ・ブライネへの寄せが甘くなった。

 これで余裕を持って前を向けたデ・ブライネは、丁寧にベルナルド・シウバへスルーパス。抜け出したベルナルド・シウバは体の向きでファーへのシュートを見せて、ニアへ冷静に打ち込んで先制点となった。

 逆サイドへ展開してサイドバックを釣り出し、空いたポケットを取るというマンチェスター・シティ十八番の形で、鮮やかに崩しきった見事な先制点だった。

 事実上の決勝戦とされた大一番を制したマンチェスター・シティが、悲願のCL初優勝となるか、注目である。

◆【動画】UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦 マンチェスター・シティvsレアル・マドリード ハイライト
(マンチェスター・シティの先制点は6秒~18秒)

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プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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