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三笘薫がニューカッスル戦で見せた「優等生的」なプレー。マンCグリーリッシュとの違いは何か

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Richard Callis/MB Media/Getty Images

 マンチェスター・シティが優勝に王手をかけているプレミアリーグ。アーセナルの2位以内も確定しているので、焦点は、チャンピオンズリーグ(CL、4位以内)及びヨーロッパリーグ(EL、6位以内)の出場権をかけた3位以下の争いに絞られていた。

 この日、行なわれたニューカッスル対ブライトンは、3位(勝ち点66)対6位(同58)の一戦だった。他のチームより消化試合が1、2試合少ないブライトンは、前後のチームとの関係で、その分だけ優位な立場に立っている。ブライトンにとっては、CL出場の可能性をつなぎ止めることができるか、EL出場権を確固たるものにできるかがかかる、負けられない一戦だった。

 ホームのニューカッスルは中4日。対するブライトンは中3日。さらに中2日でサウサンプトン戦を控えている。ロベルト・デツェルビ監督はこのニューカッスル戦に、中盤の大黒柱アレクシス・マクアリスターをスタメンから外して臨んだ。強行日程という、消化試合の少なさからくる好ましくない影響を受けた格好だ。

 数試合前から右ウイング、ソリー・マーチも故障で欠くブライトンにとって、三笘薫は攻撃面における頼りの綱だった。しかし、三笘が初めてドリブルでイングランド代表の右サイドバック(SB)キーラン・トリッピアに対峙することができたのは、前半16分という遅さで、試合は開始直後からニューカッスルの一方的なペースで進んだ。

ニューカッスル戦でチャンスをつくれなかった三笘薫(ブライトン)ニューカッスル戦でチャンスをつくれなかった三笘薫(ブライトン)この記事に関連する写真を見る 5日前、アーセナルにアウェーで0-3と完勝した余勢を駆ることはできなかった。ホームの歓声をバックに高い位置からプレッシャーを掛けるニューカッスルに対し、ブライトンは例によってボールをつなごうとしたが、左ウイングに満足な形でボールを預けることはできなかった。

 それだけに16分、ボールを受け、トリッピアと対峙することになった三笘には期待がかかった。ところが縦に抜き去るウイングプレーに三笘はチャレンジしなかった。隣で構えたダニー・ウェルベックにボールを預けた。ウェルベックはシュートこそ飛ばしたが、ブライトンの攻撃はチャンスが膨らむことなく終了した。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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