風間八宏が解き明かすレアル・マドリードの「特殊な能力」の正体 シティとのCL準決勝のキーマンはベンゼマ (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【最終ラインの背後をとれるか】

 では、注目されるシティとの準決勝。レアル・マドリードがその壁を乗り越えるために必要なことは何か? 風間氏がそのポイントを指摘してくれた。

「最終ラインの背後をとりにいくことです。それは、カウンターだけでなく、押し込んだ時にも言えます。そのためにベンゼマをどう生かすか。チームとして、彼の能力を最大限に引き出すような選択をしてくるのではないでしょうか。

 準々決勝のシティ対バイエルン戦にヒントがあります。バイエルンは第1戦でセルジュ・ニャブリが1トップを務めましたが、第2戦では負傷明けの本職マキシム・シュポ=モティングが先発したことでシティのセンターバック(CB)を固定。その結果、右サイドのキングスレイ・コマンがDFラインの裏に抜けてチャンスを作っていました。

 レアル・マドリードはヴィニシウス、ロドリゴという強力なサイドアタッカーがいるので、シュポ=モティングよりもハイレベルなベンゼマがシティのCBを攻撃すれば、十分に背後を狙えると思います」

 果たして、レアル・マドリードのセンターフォワードが試合をコントロールするのか、シティのCBがコントロールするのか。両チームに言えることだが、この準決勝の戦いでは、その攻防が最大の見どころになりそうだ。

風間八宏 
かざま・やひろ/1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在はセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務めつつ、全国でサッカー選手指導、サッカーコーチの指導に携わっている。

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