久保建英は「求めてきた自分になろうとしている」レアル戦決勝ゴールへの現地での評価 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 久保は73分に交代でピッチを去るまで、ナチョと敢然と対峙し、その隙を窺っている。相手がアジャストしてくるなら、それを乗り越えるしかない。そこには一流選手同士の間合いがあった。

 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、久保にダビド・シルバと並んで最高の四つ星をつけている。FCバルセロナ系のスポーツ紙だけに、「いつかバルサに戻って来てほしい」という色気もあるのか。宿敵であるレアル・マドリードを撃破した選手は、すべて愛すべき存在だ。

 久保はマドリード撃破の主役になったわけだが、さらなる大きな舞台を求めるだろう。目標に掲げていた二桁得点も、手の届くところまできた。彼が求める"彼"はこんなものではない。

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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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