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バルサ、リーガ優勝目前の憂鬱 シャビ監督のもとメッシ復帰説が流れ、生え抜き選手が散っていく (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

 確かに今季のバルサは勝ち点を取れるようになった。しかし、それは強さを取り戻しただけで、「バルサ復権」には至っていない。

 果たしてもうすぐ36歳になるメッシを取り戻し、復権が臨めるのか。その代わりにラ・マシアの有望な選手を手放すことにでもなったら、バルサは数年後に空洞化しかねない。メッシの栄光とともに、バルサの屋台骨が崩れていく......。

 近年、ラ・マシアの選手たちは不遇に遭い、失望感を漂わせ、多くが去っていった。シャビ・シモンズは16歳でバルサをあとにすると、20歳になった今シーズンはPSVで15得点を挙げ、オランダリーグを代表するアタッカーとなった。つい先日、ラミン・ヤマルが15歳でトップの試合に招集されたのも、早期にプロ契約を結ぶための動きと言われる。

 シャビはバルサのアイデンティティを取り戻せるのか。リーガで優勝したあとも、仕事は山積みだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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