三笘薫のライバルは10人 エムバペ、ヴィニシウス、マネ...当代最高の左ウイングは誰だ? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by ZUMA Press/AFLO

 だが、プリシッチはW杯後、チェルシーで埋もれた状態になりつつある。その原因のひとつにあるのが、冬の移籍市場でシャフタールから獲得したミハイロ・ムドリクの存在だ。昨季と今季前半、シャフタールの一員として出場したCLで活躍。絵になる格好いいアクションをする左ウイングだが、チェルシーにはもうひとり、ラヒム・スターリングというイングランド代表の左ウイングがいる。チェルシーでは欧州で最もハイレベルな左ウイング争いが演じられている。

 エムバペ、ヴィニシウス、マネ、ソン・フンミン、ラファエル・レオン、マルティネッリ、ペリシッチ、プリシッチ、ムドリク、スターリング。ここで挙げた以上の10人は、左ウイングとして三笘より上、あるいは同等ではないかと考えられる。

 三笘を含めた11人は、すべて右利きだ。左ウイングには右利きを据えるのが、もはや定番であるという事実に、あらためて軽い驚きを覚える。日本代表をはじめ所属のレアル・ソシエダでも左サイドで出場することが多い久保建英は、そうした意味では稀な存在だと言える。収まりの悪い選手にならないことを祈りたい。

プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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