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三笘薫のライバルは10人 エムバペ、ヴィニシウス、マネ...当代最高の左ウイングは誰だ? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by ZUMA Press/AFLO

【ストライカー色の強いウインガーたち】

 エムバペを追うのはヴィニシウス・ジュニオールだ。最近のチャンピオンズリーグ(CL)で劇的な勝利を収め続けているレアル・マドリードを語る時、ヴィニシウスはカリム・ベンゼマとともに欠かせない選手になっている。先日のCLリバプール戦(決勝トーナメント1回戦ファーストレグ)。0-2から1点差に追いついた一撃は、ウイングらしいと言うより、本格派ストライカーが放ったようなパンチ力溢れるスーパーゴールだった。

 スピード重視のエムバペに対しコンビネーション重視のヴィニシウス。若干タイプは異なるが、「左ウイング兼ストライカー」で一致する。ドリブルを交えながらゴール前に侵入していく道筋に近しいものがある。

 サディオ・マネ(バイエルン)、ソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)もこのタイプだ。なんというか、ウイングらしいウイングではない。後者は実際、所属のスパーズでは3-4-2-1の2シャドーの一角としてプレーする。シャドーにも内寄りと外寄りの2種類ある。そのなかでは外寄りで構えるが、ライン際を縦に抜ける動きより、切れ込む動きのほうが多い。

 切れ込んでシュートと言えば、三笘が1月22日のレスター戦で見せた一撃を想起するが、これまで挙げた4選手はウイング兼ストライカーという言い方がそうであるように、そのシュートのイメージを常に抱いている。ウイング色を強く発しているわけではない。

 三笘はそうではない。あえて言うなら生粋のウインガーだ。東京五輪を目指した森保一監督率いる五輪チームは、本番間際まで3-4-2-1を敷いていて、その2シャドーの一角で三笘がプレーした試合を見たことがあるが、ミスキャストであることは一目瞭然だった。能力は半分も発揮されなかった。

 ひと口に左ウイングと言っても、生粋のウインガーもいれば兼ストライカーもいる。右ウイングもこなせる多機能型もいる。右ウイングでプレーする姿を見たことはないので、三笘は、悪く言えばストライクゾーンが狭い選手、よく言えば左ウイングのスペシャリストとなる。得点よりアシストに期待したくなる選手だが、一般に評価はアシストより得点のほうが高い。得点力が高いほど大物に見られる。

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