エムバペに続いてメッシも離脱? PSG対バイエルンで始まるCL16強の注目は、優勝候補が直接対決する2試合 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

【バイエルンの注目はジョアン・カンセロ】

 バイエルンで注目したい選手は、移籍市場の最終日にチームに合流したジョアン・カンセロだ。左右ともにこなすポルトガル代表のサイドバック(SB)。左はアルフォンソ・デービスがいるので、右SBとしての出場になるだろうが、MFテイスト漂う技巧派SBの獲得は、バイエルンにとって大きな財産になると見る。

 イメージが重なるのは、かつてドイツ代表とバイエルンで左右のSB兼守備的MFとして活躍したフィリップ・ラームだ。世界のサッカーを少しばかり進化させた選手だと筆者は見るが、もともと、左右ともにこなすSBだったラームを守備的MFにしたのは、元バイエルン監督であり、現マンチェスター・シティ監督のジョゼップ・グアルディオラである。

 マンチェスター・シティ時代、カンセロもグアルディオラに好かれたSBだった。ラームのようにサイドに限らず、真ん中に入り込み守備的MF然とプレーすることもあった。そのカンセロがバイエルンの一員になれば、ラームを想起するのは当然か。ラームが引退後のバイエルンに失われていた魅力が、カンセロの加入でどの程度復活するか。PSG戦はグアルディオラも見逃せない試合になるだろう。

 冒頭で述べたもうひとつの「直接対決」は、21日に行なわれる5番手のリバプール対6番手のレアル・マドリードだ。昨季の決勝対決である。

 レアル・マドリードは2013-14シーズンから2017-18シーズンまでの5シーズンで4度欧州一に輝き、通算の優勝回数をその時点で13回に伸ばした。それに待ったをかけたのが2018-19のリバプールで、通算の優勝回数を7度とした。リバプールがその前にCLを制したのは2004-05シーズンだったので、14シーズンぶりの欧州一だった。

 優勝回数13回対7回。昨季の決勝は、通算優勝回数で1位対3位の関係にある対戦でもあった。下馬評ではリバプールが上回ったが、勝ったのはレアル・マドリードだった、その結果、レアル・マドリードの通算の優勝回数は14に伸びた。

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