エムバペの負傷で途端に弱ったパリ・サンジェルマン。メッシ、ネイマールを生かし、CLバイエルン戦に勝つ方法は何か

  • 西部謙司●文 Nishibe Kenji

2022-23 CL注目チームの現状

第1回:パリ・サンジェルマン

マルセイユ戦でメッシやネイマールが抑えられたパリSG。CLバイエルン戦は大丈夫かマルセイユ戦でメッシやネイマールが抑えられたパリSG。CLバイエルン戦は大丈夫かこの記事に関連する写真を見る

【メッシとネイマールが封じられた試合】

 キリアン・エムバペが負傷離脱。クープ・ドゥ・フランスの決勝ラウンド1回戦で、マルセイユに1-2と競り負けたパリ・サンジェルマンは、続くリーグアン第23節のモナコ戦を1-3で落とし、チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦を前に暗雲が漂っている。

 これまで順風満帆にみえたパリSGに何が起こっているのか。主力を欠いたモナコ戦はともかく、マルセイユ戦の黒星は試合内容から言っても不安を掻き立てるものだった。パリSGを倒すにはどうすればいいか、そのサンプルが示されていたからだ。

 ホームのヴェロドロームで100%の観客からの応援を背に、マルセイユは立ち上がりからハイプレスを仕掛ける。パリSGがほとんどボールをキープできないという珍しい展開になっていた。受け身になったパリSGは本来の強みを発揮できず、そのまま押しきられる形で敗れている。

 パリSG対策のポイントは、リオネル・メッシ、ネイマール封じだった。シャンセル・ムベンバとサミュエル・ジゴがマンツーマンでマークして、パリSGの看板2トップを封じ込んでいる。

 そしてもう1つのポイントとして、メッシとネイマールを徹底マークしていたこの2人のセンターバック(CB)が、攻撃時に積極的に攻め上がっていったことだ。マルセイユの決勝点は、ネイマール番のムベンバがペナルティーエリアでアレクシス・サンチェスに渡したパスのこぼれ球を、ルスラン・マリノフスキーが叩き込んだもの。

 メッシとネイマールを封じ込めば、パリSGの攻撃力は激減する。そしてメッシとネイマールは守備をしない。つまり、マルセイユはパリSGの長所を消し、短所につけこむことで勝利したわけだ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る