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三笘薫をフル出場させることを優先。連続決勝弾を呼び込んだ監督采配とブライトンの戦い方 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 それはともかく、一般的にウイングは、「アシストは多いが得点力はいまひとつ」と言われがちなポジションだ。センタリング、クロス、折り返しで終わることが多いため、自ら得点を挙げにくい。久保建英にはその傾向がなきにしもあらずだが、最近の三笘はウイング的な要素に加え、ストライカー的な要素も強めている。ウイングのポジションで構えながら、ゴールを量産するセンスに磨きがかかっている。

 メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、キリアン・エムバペ、アントワーヌ・グリーズマン、古くはアリエン・ロッベン、ティエリ・アンリ、アンドリー・シェフチェンコ、ロビン・ファン・ペルシーなどが、ウイング兼ストライカーの系譜に該当する選手。日本では、しいて挙げれば三浦知良となるが、タイプ的にレアであることは確かだ。三笘が眩しく映る理由はそこにある。華のあるウイング兼ストライカーが、サッカーを面白くすることはハッキリしている。三笘の活躍と、三笘を追いかける選手に目を凝らしたい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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