日本代表の印象をモドリッチほかクロアチアの選手たちが語る。監督は「チームも作戦も考え直さなければいけない」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

メディアはシステムの変更を予測

 クロアチアの守りの要CBのデヤン・ロブレンはカナダ戦でイエローカードを1枚もらっているが、日本戦には出場する予定だという。

「もし日本を軽んじていたら、退場の危険性のある俺は出さないはずだ。つまりクロアチアが日本戦を非常に難しく、重要だと考えている証拠だ」(ロブレン)

 クロアチアメディアの予測では、ダリッチ監督はこれまでの3戦で使ってきた4-2-3-1を変更し、4-3-3にするのではないかと言われている。これまで使ってきたシステムでは日本に手の内を読まれてしまうからだ。ダリッチ監督は言う。

「世界と同様に、我々も正直、ここで日本と当たるとは思っていなかった。日本に対峙するためには、チームも作戦も新たに考え直さなければいけない」

 トリノでプレーするMFニコラ・ブラシッチは日本から大切なことを学んだと言う。

「サッカーは名前や技術だけでプレーするわけじゃない。何よりもハートが大事なことを日本は思い出させてくれたよ」

 多くの日本の選手がプレーするドイツのホッフェンハイムに所属するアンドレイ・クラマリッチは、グループリーグで一番印象に残ったチームに日本をあげた。

「ジャイアントキラーはサウジアラビア、カメルーン、チュニジアと複数いたが、そのなかでも日本は突出していた。スペインやドイツを下した試合はきっと今後も長く多くの人の記憶に残るだろう」

 クロアチアのチーム関係者によると、日本対スペイン戦を見ていた選手たちは、勝敗が決まった時「ワオ......」と言ったきり、しばらく静かだったという。スペインの立場に今度は自分たちが立たなければいけない。それまで戦ってきたモロッコ、カナダより日本の実力は上だし、ベルギーも不調だった。そしてそんなチームを相手にクロアチアは圧倒的な強さを見せられなかった。一方、日本は強豪を倒してここまできた。

 クロアチアではレジェンドたちも、日本戦について物申している。スラベン・ビリッチは98年のフランスW杯で日本と対戦した。彼は日本を叩く作戦をこう説く。

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