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日本代表の印象をモドリッチほかクロアチアの選手たちが語る。監督は「チームも作戦も考え直さなければいけない」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

ミキッチが監督に伝えた森保情報

「とにかくクロアチアは集中し、日本にスピードを出させないことだ。日本が高い位置でプレッシャーをかけてきたら裏に抜け、とにかく前半のうちに2-0にして決着をつけてしまうことだ」

 クロアチアでも一番の日本通といえばミハエル・ミキッチだ。彼はサンフレッチェ広島や湘南ベルマーレでプレーした経験を持ち、何より広島では森保一監督のもとでプレーした。彼は日本のことをこう説明する。

「クロアチアと日本では文化も、考え方も、食べ物も、そしてサッカーもすべて違う。与しやすいなどと思っていたら痛い目を見る。なぜなら彼らは障害が大きければ大きいほど、強さを発揮するんだ。これはクロアチアにはないものだ」

 彼はダリッチ監督にも直接電話をし、いくつかの注意を授けたという。その詳しい内容は明かさなかったが、クロアチアのテレビ番組ではこう語っていた。

「ハジメ(森保監督)は同じ試合の中でどんどんシステムを変えてくる。それも相手が気づかないうちに巧みに変え、チームはどんどん変貌していく。それが敵の神経をいらだたせるんだ」

 また彼は日本の選手個々にも触れている。

「三苫薫、鎌田大地、冨安健洋は嫌な選手だ。冨安がプレーするかどうかはわからないが、出てきたら厄介だね。長友佑都も何をしでかすかわからない。久保建英はまだ最高の力を見せてないが、ボールのマエストロだ。また、ブンデスリーガーでレギュラーとしてプレーしている田中碧や遠藤航を試合によってベンチに残すことができるというのは、日本にいい選手が多くいるという証拠だ」

 FIFAランキング、選手のクオリティなど、どこを見てもクロアチアのほうが上であることは確かだろう。しかしサッカーはそれだけではない。それは日本がここまで身をもって教えてきてくれたことだ。

前回準優勝のクロアチアは絶対に負けられない。一方、日本に失うものは何もない。ただ全力で戦うのみだ。その差がプレーにどのような違いを生み出すか。今から楽しみでならない。

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