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日本戦を前にコスタリカでは批判が噴出。国民の怒りは初戦大敗のせいだけではなかった (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

動けないベテラン選手たち

 イラク入国の過去があると、原則、アメリカに入国できなくなる。そしてコスタリカにはMLSでプレーする選手が複数いる。チームと入管の間ですったもんだがあった挙句、結局、入国は取りやめることになり、親善試合はキャンセルとなった。その間、選手は8時間足止めをくった。また、この試合はイラクがコスタリカを招待していたため、クウェートのホテル代を含む旅費はすべてがイラク持ちのはずだったが、これもコスタリカの自腹となった。

 こうしてコスタリカは大事な最後のテストマッチと貴重な練習時間を失った。

 カタールに来ている多くのサポーターは自国のユニホームを着てアピールをしながら街を闊歩するが、コスタリカのサポーターはユニホームを着るのを止めたという。恥ずかしくて歩けないというのだ。実際、ブラジル対セルビア戦に来ていたコスタリカのサポーターは、セレソン(ブラジル代表)のユニホームを着ていた。

 ルイス・フェルナンド・スアレス監督は、日本戦ではスペイン戦とは異なる選手を使おうと考えている。スペイン戦ではベテランと若手のミックスを試みたが、それはうまくいかなかった。たとえば最年長で37歳のブライアン・ルイスは、ピッチでほとんど動かなかった。サントスから追い出され、どこのチームもほしがらず、国内のクラブ(アラフエレンセ)に拾われたが、それでも代表でプレーしている。日本戦はより若い世代にチャンスが与えられるかもしれない。

 システムもスペイン戦で使った4-4-2と同じになるかどうかわからない。スペインはコスタリカ相手にW杯でのパス成功数最多記録を達成した。それは何よりもコスタリカのシステムが間違っていたことを意味する。彼らはスペインに好きなようにプレーを許してしまった。

 4-4-2というのは一般的には攻撃的な布陣だが、スペイン戦でのコスタリカはほぼ守備に徹していた。ボールを持ったスペインが攻めてくるのを、ただ待って守るだけのチームだった。実際のFWは0だったとも言われている。コスタリカは日本のスピードを警戒しており、中盤をもっと厚くしてそれに対応しようとしてくるだろう。

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