強いオレンジ軍団が帰ってきた。セネガルに快勝したオランダは3位になった2014年大会より「力は上」と指揮官も胸を張る (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 この日のセネガル戦もそうだった。

 オランダは試合序盤、右サイドからの攻撃を中心に決定機を作り出すも、これを生かせずにいると、次第に今年行なわれたアフリカネーションズカップ2021を制した難敵・セネガルに反撃を許すことになった。試合全体の流れを振り返れば、終始圧倒できていたわけではない。

 しかし、相手の攻撃を確実にはね返すと、指揮官が「選手のポジションを変えてよくなった」という後半に2点を奪い、首尾よく勝ち点3をもぎとった。

 戦い方を見ていても、戦術的に整理され、実に落ち着いた様子を見せている。

 3-5-2の布陣から、まずは2トップが相手のセンターバックに外から制限をかけ、中央にパスを出させたところで中盤の選手がハメにいく。プレスと聞くと、前線の選手が必死に走り回る姿を思い浮かべるかもしれないが、オランダは非常に効率よく、最小限の動きでプレスを機能させることができていた。

 中央に誘い込んで奪ったボールは、相手ゴールに向かって一気に前進させる。それができなければ、左右に広く展開してサイドから崩しにかかる。

 前半半ばまでにあった決定機を生かしていれば、試合はもっとラクなものになっていたかもしれない。

 それでも後半84分、フレンキー・デ・ヨングのクロスをコーディ・ガクポが頭で仕留めて先制。試合終了目前の後半アディショナルタイムには、途中出場のディヴィ・クラーセンがダメ押しの追加点を奪い、アフリカ王者を2-0で退けた。

 ファン・ハール監督も「満足はしていない」と言いつつ、「何よりアフリカチャンピオンに2-0で勝てたことが、それはそれはうれしいことだ」と、率直な気持ちを言葉にした。

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