カタールW杯ポルトガル代表選出に現地で批判が噴出。26選手中18人が同一の代理人だった (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

C・ロナウドを支える大物代理人

 しかし、他の国はどうあれ、ポルトガル代表に招集された選手の顔ぶれは、これまでにないほど異様だ。

 その話をする前に、ある選手とある代理人の関係に言及しておきたい。

 その選手とは、ここ10年間、サッカー界に君臨してきたクリスティアーノ・ロナウドだ。最近の彼は所属クラブともめごとばかりを起こしている。レアル・マドリードと関係が悪くなるとユベントスへ移籍。ユベントスでもうまくいかずマンチェスター・ユナイテッドへ移った。

 そして古巣でもあったマンチェスター・ユナイテッドでも、今、問題を起こしている。数日前のインタビューでは、必要な時に自分をサポートしてくれなかったチームをはっきりと非難し、エリック・テン・ハーグ監督も嫌いだと言いきった。マンチェスター・ユナイテッドの幹部はこれに頭を抱え、ロナウドの処分を話し合っているところだ。

 こんな状況であってもロナウドは慌てない。それは、自分には次のビッグチームがある、すべてはうまくいくと確信しているからだ。

 その根拠は彼の代理人の力にある。その名はジョルジュ・メンデス。ロナウドと同じポルトガル生まれの代理人で、現在のサッカー界では最強のエージェントだろう。世界中の優秀な監督30人、トップクラスの選手280人顧客に持ち、なによりヨーロッパ中のビッグチームと太いパイプを持つ。彼の運営する会社「GESTIFUTE」は5つの国にオフィスがあり、年々、成長している。

 もし他のサッカー選手がロナウドのような振る舞いをしたら大問題になるだろうが、メンデスがいれば、自分の悪いようにはならないことをロナウドは知っている。彼がここまでやってこられたのはメンデスの力も大きい。

 そのジョルジュ・メンデスとポルトガル代表の関係に非難が集まっている。

 問題の根の深さを理解するには、あるひとつの事実を伝えればわかってもらえると思う。今回カタールに行くポルトガル代表の26人のうち、実に18人がジョルジュ・メンデスの顧客なのだ。

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