久保建英は若いチームでリーダーシップを発揮。ELで光った日本代表選手たち

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 ヨーロッパリーグ(EL)第4節は、日本代表選手の活躍が目立っている。

 ウニオン・ベルリンの原口元気は、マルメ戦にインサイドハーフとして先発出場し、持ち前の献身性とアグレッシブさで、チームを動かす車輪となった。ホームで1-0としぶとく勝利を呼び込み、グループステージ突破(各組の1位が自動で決勝トーナメントに進出し、2位はチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で敗れたチームとプレーオフを戦う)の可能性をつなげた。

 フライブルクの堂安律はナント戦に先発出場し、右サイドで攻守に奮闘。小柄だがパワーがあるだけに、持ち場を守れるサイドアタッカーとして際立っていた。ホームで押し出してくる相手の持ち味を消しながら、0-4と押しきる展開で4連勝。グループステージ突破を決める殊勲者となっている。

 アーセナルの冨安健洋は、ボデ・グリムトとの敵地戦で70分に右サイドバックで交代出場し、0-1と3連勝に貢献(女王の崩御にともない1試合少ない)。リードした展開で相手の勢いが増すなか、流れを押し返すのは簡単ではなかったが、鋭い出足でボールを奪い、1対1を制し、的確な球出しを見せ、さらに攻撃参加と縦横無尽だった。最後は相手にボールを下げさせ、彼のサイドの攻撃をあきらめさせていた。

 一方、やや苦しい状況なのは、モナコのFW南野拓実だろう。トラブゾンスポル戦もチームは4-0と敵地で敗れ、グループリーグ3位に後退。国内リーグで途中出場が続く南野は、この日も後半18分からの出場で、試合の形勢を変えるのは厳しかった。

 ただ、南野は実力のある選手で、悪い流れはゴールで変えられる。ELの舞台に立つ選手は、いつでも一発逆転が可能な立場にいる。きっかけさえつかめたら......。

 日本人で最も輝きを放ったのは、レアル・ソシエダの久保建英だ。

ヨーロッパリーグ第4節シェリフ戦に61分から出場した久保建英(レアル・ソシエダ)ヨーロッパリーグ第4節シェリフ戦に61分から出場した久保建英(レアル・ソシエダ)この記事に関連する写真を見る 久保はホームでのシェリフ戦で、61分から右サイドでピッチに立っている。3-0の勝利で4連勝。前半に相手がひとり退場し、有利な展開ではあったが、平均年齢が約23歳の若い陣容のなかでリーダーシップを発揮していた。

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