ベルギー代表はカタールW杯で優勝をつかむか。デ・ブライネ、ルカクらタレントを揃えながらも「慎重で堅実な戦い」が伝統 (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

進化しているが芯は残っている

 カタール大会に臨むメンバーは、4年前とほとんど変わっていない。さらに8年前ともそんなに変化がない。「黄金世代」以降も人材は出ているのだが、なかなか世代交代が進まなかった。

ベルギー代表の主要メンバーベルギー代表の主要メンバーこの記事に関連する写真を見る アルデルワイレルトとフェルトンゲンはピークを越えていて、ルカクとアザールも4年前のパフォーマンスを発揮できるかどうかは疑わしい。デ・ブライネは元気だが、全体的には下り坂という印象は否めない。

 ただ、最新のFIFAランキング(8月)では依然として2位でもある。ブラジルに次ぐこのランキングを真に受けるかどうかはともかく、ベルギーが強豪として実績をあげているのは確かなのだ。

 ただ、過去2大会よりもさらに慎重さが問われることになりそうである。ベルギーにとってそれがどう出るかはわからないが、相手の出方を見て対策を立てて実行する戦い方は得意ではある。

 3-4-2-1というシステムも最近こそ増えてきたけれども、ヨーロッパではなかなか定着していなかった。ベルギーはいち早くこのシステムを採り入れていて、すでに強豪国なのに中堅国っぽいシステムでプレーしていた。起用する選手次第では攻撃的にもなるが、もともとは守備に向いているシステムを採り入れていたところもベルギーらしい。

 強豪に相応しい人材が揃っても奢らず、地に足がついた慎重さは変わらない。外見は華やかで豪華でも、堅実で慎ましい芯は残っている。進化しているのに変わらない。ある意味、代表チームとして理想的な歩みと言えるかもしれない。

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