鎌田大地は「ビッグクラブの中心選手を目指してほしい」。風間八宏がその技術の高さとここまでの成長を評価 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

日本代表でチャンスを作れる数少ない選手

 もともと鳥栖時代からテクニックに秀でた選手だった鎌田だが、改めてその特長はどこにあるのか。風間氏が、鎌田ならではの武器を説明してくれた。

「一番は、ボールを受けるのがうまいということ。動きながらでも正確にボールを扱える。そのボールコントロールの技術が高いうえに、周りもよく見えているのが、彼の強みになっていると思います。

 逆に言えば、正確な技術があるからこそ、周りを見る余裕が生まれ、プレー自体にスピードも生まれる。最近の彼のプレーを見ていると、相手に捕まえられることがほとんどありません。それは、正確性が速さを生み、視野も広がっている証だと思います。

 もちろん、サッカーはチームスポーツなので、フランクフルトがダメな時は鎌田も消えてしまう場合がありますが、それはチーム全体の問題。相手がボールを握る試合展開になったら仕方ないことだと思います。

 少なくとも、チームがボールを持てる展開なら、鎌田はその中心として必ず絡んできます。そういうレベルの選手になったと思いますね」

 今シーズンは、念願のチャンピオンズリーグ(CL)デビューも果たした鎌田。ほかにも、スポルティング(ポルトガル)に移籍した守田英正や、セルティック(スコットランド)組の日本人選手たちも同じ舞台でプレーするが、おそらくヨーロッパ組のなかで現在最も高いレベルを知っているのは、鎌田と言っても過言ではないはずだ。

 そんな貴重な戦力を、日本代表でどのように生かせばいいのか。多くのサッカーファンが想像するところだが、果たして風間氏の見解はどうなのか。

「どちらが正しいとかはありませんが、サッカーでは、チームをある程度固定して、そこに選手を当てはめていく方法と、誰かを中心に置いて、そこからチーム全体を考える方法があります。現在の鎌田は、明らかにチームの中心になれる選手だということ。それだけは間違いないと思います。

 もしかしたら、中央エリアで高いレベルのプレーができる選手は、現在の日本代表の攻撃陣のなかでは鎌田が一番かもしれません。サイドで待ってプレーするタイプではなく、中央の狭いスペースでも普通にボールを受けることができるうえ、ミスも少なく、試合を動かすことができる。

 要するに、日本代表のなかでチャンスを作れる数少ない選手で、もし彼を中心に置いて、彼の持っている時計に周りが合わせることができれば、チーム全体のプレーの速度も変わってくると思います」

 いずれにしても、カタールW杯では鎌田が森保ジャパンのキーマンになることは間違いなさそうだ。

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