旗手怜央が思い出した「言われっぱなしではいけない」の言葉。今季の課題は、自分の言葉で伝えるチームメートとのコミュニケーション

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

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初めて海外で迎えるシーズン開幕/後編

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スコットランドのセルティックでプレーする旗手怜央。初めての欧州サッカー、欧州生活で感じた、発見、刺激、体験を綴っていく。セルティックで2シーズン目となる今季開幕前に、旗手は昨季の反省をふまえ自らの課題克服を試みた。「ボールを止める位置」と「ターン」。そして今回はもう一つ大きなテーマについて取り組んだことを明かした。

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開幕戦で改めてヨーロッパの雰囲気を感じた

「OK」ではなく、自分の「言葉」で言い返す。

 ヨーロッパでプレーしていくには、やはり自己主張が大事になる。

チームメートとコミュケーションをとる旗手怜央チームメートとコミュケーションをとる旗手怜央この記事に関連する写真を見る 2022-23シーズンのスコットランドリーグ開幕は7月31日、ホームのセルティックパークでスタートした。

 チームバスで会場に向かうと、スタジアムの前には多くのファン・サポーターが出迎えてくれていた。いつもならスタジアムの入口までバスを乗り入れるが、前年度のリーグ王者であり、リーグ開幕戦ということもあったからなのだろうか。僕らはかなり手前でバスを降りると、ファン・サポーターが両脇に集まるなかを歩いてスタジアムに入った。

 ファン・サポーターに見守られながら会場入りした際には、リーグ優勝した時を思い出し、胸が高鳴ると同時にヨーロッパの雰囲気を改めて感じた。

 それは試合前も、だった。対戦相手であるアバディーンの選手たちが、前年度王者である自分たちを称えるかのように、花道を作ってくれた。「Guard of honour」と呼ばれる、それだった。

 またファン・サポーターは、コレオグラフィーによりトロフィーとクラブエンブレムをスタンドに描いてくれた。その絵を見て感動したものの、平常心を保てていたのは、応援の熱気や雰囲気に慣れた証かもしれない。

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