旗手怜央が思い出した「言われっぱなしではいけない」の言葉。今季の課題は、自分の言葉で伝えるチームメートとのコミュニケーション (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

「コミュニケーション」に取り組んだ

 2-0で勝利した開幕戦は、66分に交代する結果となったが、チームの攻守を機能させられた確かな手応えがあった。

 セルティックは4-3-3システムをベースにしているが、守備時には4-4-2の形になる。自分がカラム・マクレガーと共に中盤の底を担い、広範囲をカバーする役割を求められている。そのうえで、アンジェ・ポステコグルー監督からは、前からボールを取りにいくようにと言われているが、これがなかなかどうして、かなりの守備力と運動量を問われることになる。

 昨季までならば、自分がボールを奪いきらなければと思って臨んでいたが、今季はその考えを発展させることができた。

 自分ではなく、チームという単位で、うまくボールを奪う、もしくはチームとして相手をはめることを意識するようになったからだ。

 また、それには自分が周りを動かす、自分が周りに伝える必要があった。

「コミュニケーション」こそが、前回述べた「ボールを止める位置」や「ターン」と共に、自分がプレシーズンに意識して取り組んだ課題だった。

 昨季までならば、意図していないところにパスが来たり、判断が違っていたりしてミスになった時、チームメートに何かを言われると、「OK、OK」と返事をしてしまうケースが多かった。咄嗟に言葉が出ず、「わかった」という意味を込めて「OK」と言っていたのだ。

 結果、たとえ自分の判断が間違っていなくても、それを認めてしまうことになる。次のプレーや再び似たような状況に陥った時の、改善策を提示することもできていなかった。

 だが、これも少しずつ勉強している語学の成果と環境への慣れと言えるだろうか。今シーズンはプレシーズンの時から、つたないながらも、「自分はこうしたかった」「どう動いてほしかった」というのを伝えるようにした。

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