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南野拓実が最も輝けるポジションはどこか。右サイドでは魅力半減、日本屈指の能力は「中央」でこそ生きてくる (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

南野が魅せたポジティブ要素

 では、どうすればモナコで、中央のポジションを掴み取ることができるのか。

 4−3−3(4−1−4−1)を基本布陣とする日本代表は別としても、新天地モナコではそのチャンスは必ずおとずれるだろう。サディオ・マネ、モハメド・サラー、ジョタ、フィルミーノなど、世界屈指のクオリティを持つアタッカーが揃っていたリバプールではさすがに厳しいだろうが、モナコにはそこまで傑出した選手はいない。

 そういう意味で、この試合でチーム最大の得点源であるフランス代表ベン・イェデルと近い距離でプレーした際、お互いのよさを引き出し合える可能性を示したコンビネーションプレーを2度ほど見せたことは、南野にとってポジティブな要素だった。

 あるいは、シュートをブロックされた16分のシーンも、南野がペナルティエリア内で相手を外してシュートポジションに素早く入り込めることを示したシーンであり、これを繰り返せば、ゴールの可能性は高まるはず。指揮官がその特性を見逃すこともないだろう。

 そもそもモナコに加入する段階で、この2年間で阿吽の呼吸を築いたベン・イェデルとケヴィン・フォラントの間に割って入ることが簡単ではないのはわかっていたこと。しかも、リーグ・アン独特のスピードとリズムに馴染むまでにはそれなりの時間が必要であることも、ある程度は想定していたはずだ。

 だからこそ、まだ開幕間もないこの時期に焦る必要はない。即戦力として迎え入れられた南野ではあるが、レギュラーを約束されて加入したわけではなく、あくまでも挑戦者として、自分が最も輝けるポジションを奪わなければいけない立場にある。

 そしてそのためには、少しずつ自分の特長を発揮しながら、ゴールとアシストという前線の選手に求められる"数字"を積み重ねる必要がある。それができれば、いずれ2トップやトップ下のポジションを奪えるはずで、そのプロセスなくして南野がモナコで輝きを放つことは考えにくい。

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