カタールW杯ドイツ戦の最大の敵、キミッヒの特長を風間八宏が解説。森保ジャパンが彼を抑えるにはどうすればいい?
第12回:ヨシュア・キミッヒ(バイエルン/ドイツ)
独自の技術論で、サッカー界に大きな影響を与えている風間八宏氏が、国内外のトップクラスの選手のテクニック、戦術を深く解説。今回取り上げるのは、バイエルンとドイツ代表の中心であるMFヨシュア・キミッヒだ。カタールW杯で対戦する日本にとって強敵となる彼の優れている点、抑えるにはどうしたらいいのかを聞いた。
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バイエルンとドイツ代表の中心選手
森保一監督が率いる日本代表がカタールW杯の初戦で対戦するのは、過去4回の優勝を誇る世界屈指の強豪ドイツ。グループリーグ突破を目指す日本にとっては極めて難しい対戦相手になるが、そのドイツ最大のキーマンと言われるのが、現在バイエルンでプレーするMFヨシュア・キミッヒだ。
ドイツのキミッヒは質の高いプレーで活躍。日本にとってかなりの強敵だこの記事に関連する写真を見る キミッヒが、ライプツィヒからバイエルンに引き抜かれたのは、2015年1月。当時バイエルンを率いていたペップ・グアルディオラ監督が熱望した補強だった。
すると、初年度からその期待に応え、複数ポジションを器用にこなすマルチロールぶりを発揮。カルロ・アンチェロッティ体制となった2年目以降も、ボランチや右サイドバックでプレーするなど、ドイツ代表とバイエルンのレジェンドでもある先輩フィリップ・ラームのバトンをしっかり受け継いだ。
あれから7年が経過して27歳になったキミッヒは、バイエルンとドイツ代表の中心選手として、円熟期を迎えている。
日本にとって最大の脅威とも言われるキミッヒとは、一体どんな選手なのか。風間八宏氏がそのプレースタイルと特長を解説してくれた。
「ゲームを安定させるためには最高の選手だと思います。技術がしっかりしているのでボールを奪われにくく、彼にパスを預ければ、長短織りまぜた高精度のパスを供給できる。しかもアタッキングサードに入ると精度の高いシュートも持っていて、もちろん守備もできる。とにかく、ひとつひとつのプレーの質が高い選手ですね」
そのなかでも、とくに風間氏が強調するのは、キミッヒのパス精度だ。
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