ボーフム浅野拓磨が背番号11に変更した思い。「寿人さんの存在があって、今の自分につながっている」 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

浅野を変えたセルビアの2年

 ここまでの準備期間で行なわれた9つの親善試合も、戦績を見れば5勝2分2敗とまずまずだが、このうち無失点で終えたのはたったの1試合だった。

 DF陣からはアーメル・ベラコチャプとマキシム・ライチュの両CBがそれぞれサウサンプトンとマインツへ羽ばたき、中盤でもエルヴィス・レジュベツァイとエドゥアルド・レーヴェンが期限付き移籍を終えて保有元に戻った。

 もちろん、それらを勘案して新戦力の補強は敢行されているものの、ファンにとって気になるのは「戦力ダウンは避けられるのか?」ということだ。この点について浅野に聞いてみると、欧州7年目という豊富な経験に裏打ちされた答えが返ってきた。

「うーん......まあでもそこも、まったく日本と違う感覚というか。プレシーズンで調子が悪くても、シーズンが始まったらめちゃくちゃ調子がいい選手とかいるんで。そこのスイッチの入れ方って、こっち(海外)は独特ですし、はじまってみないと本当になんとも言えないというか。

 去年も『あ、ヤバい。このチーム、落ちるかな?』と思ったこともありましたけど、シーズンが始まったらやっぱりいい戦いができたし。能力とか準備の仕方とか、そういうものが(シーズンの結果に)比例しないのが海外のサッカーというか。(本番の)1試合にどれだけ全力をぶつけられるか、みたいなところがあるので、僕はあんまり気にしていないです。

(選手の入れ替わりは)全然マイナスじゃないですね。むしろ、違う選手が入ってきてどうなるかなっていう楽しみのほうが大きいし、自分のプレーができたらいいかなって。それが、結果、チームの勝利につながったらなっていう感覚でやってる」

 守備が機能するか、攻撃が機能するかは、フタを開けてみなければわからない----。プレシーズンをそう総括した浅野の口から、一昨季まで所属していたバルカン半島の国名が突如出てきた。いわく、「セルビアでの2年が、僕のなかでけっこう大きかった」と。

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