2022.07.25

PSGの選手が観光気分ではなく、レッズ相手に本気となった理由。代表クラスでもミスすれば売却される「背水の陣」

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

パリ・サンジェルマン真夏の短期集中講座
<第6回>〜浦和レッズ戦@埼玉スタジアム2002〜

「調整の初期段階にあることが影響して、安定感と強度を欠く場面もあったが、全体的にはチームは確実に前進している。コンビネーションやいい得点シーンを作れたことも含め、ポジティブな材料もいくつかあった」

 ジャパンツアー2試合目の浦和レッズ戦を3−0で勝利したあと、今シーズンからパリ・サンジェルマン(PSG)を率いるクリストフ・ガルティエ監督はそう振り返った。

 その一方で「(我々は)できるだけ早くボールを奪い返そうとするスタイルのため、(守備の)バランスを欠くことにつながっている。そこは改善しなければならない」と語るなど、3日前の川崎フロンターレ戦で露呈した守備の課題については、まだ改善の余地があることも認めていた。

>>第1回はこちら>>「PSG激動の歴史。降格争い、借金まみれ、スポンサーもさじを投げた」
>>第2回はこちら>>「PSGスーパースター列伝。王様ズラタン、ピルロ後継者、ベッカム引退」
>>第3回はこちら>>「PSGの新体制にスター選手も戦々恐々。ネイマールさえも...」
>>第4回はこちら>>「攻撃はMNMトリオのアドリブ優先、守備は不慣れな3バックを採用か」
>>第5回はこちら>>「フロンターレ戦で見えた光と陰。フル稼働が厳しいのは...」

2試合連続ゴールを決めたFWカリムエンドも安泰ではない2試合連続ゴールを決めたFWカリムエンドも安泰ではない この記事に関連する写真を見る  6万1175人の観衆でスタンドが埋め尽くされたこの試合、PSGはキリアン・エムバペ以外の10人を川崎戦から入れ替えてスタメンを編成。新布陣3−4−1−2の最終ラインには、ティロ・ケーラー、ダニーロ・ペレイラ、アブドゥ・ディアロの3人が並んだが、開始早々の前半3分、さっそく浦和の鋭いカウンターアタックを浴びた。

 左ウイングバックのフアン・ベルナトのパスを伊藤敦樹にカットされ、小泉佳穂、松尾佑介と素早く縦につながれると、最終ラインの背後に抜け出した松尾がGKケイロル・ナバスとの1対1に。幸い、このピンチはケーラーの素早い戻りとナバスのセーブで失点を防いだが、ハイライン時の背後のスペース管理の問題は今後も守備の課題として大きくクローズアップされることになるだろう。

 もっとも、「開始10分は相手の激しいプレッシングに苦しんだ」(ガルティエ監督)ものの、その後は次第にPSGがリズムを取り戻し、16分にはエムバペ、マウロ・イカルディとつなぎ、最後はパブロ・サラビアの正確なミドルシュートで先制する。

 さらに35分にはエムバペの異次元の個人技から追加点を決めると、後半76分にはマルキーニョスのパスを起点にすばらしいコンビネーションプレーからアルノー・カリムエンドが2試合連続となるダメ押しゴールを決め、危なげなく勝利を飾ることに成功している。