パリ・サンジェルマンの激動の歴史。かつては降格争い、借金まみれ、スポンサーもさじを投げた
パリ・サンジェルマン真夏の短期集中講座
<第1回>〜メガクラブへの歩み〜
リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペの「MNMトリオ」を筆頭に、MFマルコ・ヴェラッティとGKジャンルイジ・ドンナルンマのイタリア代表コンビ、そして元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスにブラジル現代表DFマルキーニョス......。
世界が羨むほどのスター選手が勢揃いする"新銀河系軍団"パリ・サンジェルマン(PSG)の来日ツアーが、いよいよ目前に迫ってきた。今回のプレシーズンマッチ3試合(7月20日@vs川崎フロンターレ/国立、7月23日@vs浦和レッズ/埼スタ、7月25日@vsガンバ大阪/吹田)は、世界的スーパースターたちを一度で拝める絶好の機会。今から楽しみにしているサッカーファンも多いのではないだろうか。
1993年から1998年までPSGに在籍したライーこの記事に関連する写真を見る ただ、今でこそエリートクラブの仲間入りを果たしたPSGだが、それは最近10年くらいのこと。それ以前は、ヨーロッパの大国フランスの首都パリを本拠地とするクラブとしては、その規模も含めて物足りなさが否めなかったという歴史がある。
そこで今回は、プレシーズンマッチを楽しむための予備知識として、PSGというクラブの生い立ちやメガクラブ化するまでの歩みについて、改めておさらいしたい。
まずクラブの創設は、今から約50年前の1970年。当時パリに有力なフットボールクラブが存在しなかったため、有志が主導して1969年に"仮想クラブ"のパリFCを創設したのが発端だった(現在2部のパリFCは1972年に別体制で引き継がれたクラブ)。
その翌年、まだ選手もホームスタジアムもないパリFCは、パリ郊外のサンジェルマン=アン=レーを本拠地とするアマチュアクラブのスタッド・サンジェルマンに合流を要請。当時2部昇格を決めたばかりのスタッド・サンジェルマンが、ともに新クラブを創設することに合意したことで、晴れてパリ・サンジェルマンFCとして1970−71シーズンから2部リーグに参加することが決定した。
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