「なぜブラジルが世界の頂点に立つことができたのか」。あの日から20年、チームスタッフが見た2002年W杯優勝までの道のり (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ところで、このコスタリカ戦から、セレソンにはあるルーティンが生まれた。チームは毎回ホテルからスタジアムに行く際、バスにドラムを持ち込み、全員でサンバを歌うのが習わしだが、最高の出来だったコスタリカ戦にあやかるため、それ以降、この日に歌ったサンバ12曲を、必ず全曲、同じ順番で歌うことにした。

 ホテルとスタジアムの距離は毎回違うため、時には12曲歌い終わらないうちに着いてしまうこともある。しかしそんな時も、絶対にバスを降りてはいけなかった。ブラジル代表は止まったバスの中で最後まで曲を歌い、各スタジアムのスタッフたちが、そんな我々を困惑気味に見ていた。
(つづく)

フォトギャラリーを見る

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る