レオナルドとダニエウ・アウベス。大物ブラジル人に浮上した日本行きの可能性

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 日本の皆さんにビッグニュースだ。ブラジルのビッグネームふたりが近々、日本にやってくるかもしれない。

 ひとり目はレオナルド。彼はパリ・サンジェルマン(PSG)のスポーツディレクター(SD)を解任され、パリでの冒険をかなり悪い形で終えてしまった。

 ネイマールをチームに引き留め、リオネル・メッシを獲得し、キリアン・エムバペ残留を実現させた。すべてが彼の手柄ではないかもしれないが、チームの最高責任者は彼である。にもかかわらずレオナルドはクビを切られた。これは何か大きな問題があったからだ。

 レオナルドはPSGであまりにも力を持ってしまった。反対があっても、彼が意見を押し通すことは少なくなかった。たとえばトーマス・トゥヘル監督時代、彼が望んでもいなかったのにマウロ・イカルディをチームに連れてきて、チアゴ・シウバを追い出し、それに異論を唱えたトゥヘルも追い出した。結局、ふたりが移籍したチェルシーが昨シーズンはチャンピオンズリーグで優勝してしまった。

 監督の選手の起用や戦術に口を出すことも一度や二度ではなく、こうしたことが重なり、チーム内には彼を敬遠する空気がだんだんと生まれてきていった。同国人のネイマールも、最近では「レオナルドとは話したくない」と言い出していた。エムバペを中心に新たなチーム作りへと舵を切るなかで、真っ先にクビを切られたのがレオナルドだった。

 こうした事情もあって、現在フランスのチームも、ブラジルのチームもレオナルドをほしがりはしていない。唯一可能性があるのはバレンシアだ。

 レオナルドは91年から93年までバレンシアでプレーし、チームの人気者だった。なにより現在の監督は元ミランのチームメイト、ジェンナーロ・ガットゥーゾだ。彼はレオナルドがミランのSD時代に監督を務めたこともある。ガットゥーゾはレオナルドがチームに来てくれることを望んでいる。

 ただ、バレンシアはガットゥーゾのチームではない。オーナーはシンガポールの実業家ピーター・リム。選手を勝手に売って監督と対立するなど、いろいろな逸話のある人物だが、レオナルド獲得については意欲的なようだ。現在、バレンシアにSDはいないし、リムはPSGの会長アル・ケライフィとも友人である。今のところ、レオナルドの次の勤務先はバレンシアというのが一番濃厚だろう。

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