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メッシ、ネイマール、エムバペ...奇跡のトリオは見納め? カタール首長激怒でPSG新銀河系軍団は解体か (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

どうする膨れ上がった人件費

 いずれにしても、残る興味は、得点ランキングとアシストランキングの両方でトップに立つエムバペの個人タイトルに絞られた。むしろ人々の関心は、ほぼ終了した今シーズンより、明らかにオフシーズンの動きに集中している。

 まずひとつは、来夏まで契約を残しているポチェッティーノ監督の去就問題だ。

 監督として初めてリーグタイトルを獲得したポチェッティーノは、第35節の前日会見で残留の意志をあらためて表明したうえで、フロントとの関係性も良好であることを強調した。だが、依然として状況は不透明のまま。

 そもそも、これまで冷徹とも言える意思決定を繰り返してきたナーセル・アル=ヘライフィー会長が、レアル・マドリード戦での大失態を見過ごすとは到底思えない。すでにその火の粉は、一昨年のクリスマスにトーマス・トゥヘルを解任してポチェッティーノを招聘したレオナルドSD(スポーツ・ダイレクター)に降りかかっているのが現状だ。

 一部では、カタールの首長がアル=ヘライフィー会長を左遷するという報道もあったが、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)やECA(欧州クラブ協会)の要職に就いている人物をむげにできるはずもない。それを考えると、運命共同体のレオナルドSDとポチェッティーノが同時に責任を取らされる可能性は十分にあるだろう。

 現地報道では、後任候補として現在フリーのジネディーヌ・ジダンやトッテナム監督のアントニオ・コンテらを挙げているが、ジダンはカタールW杯後のフランス代表監督最有力候補であることは周知の事実。コンテにもまだ正式オファーした形跡はなく、おそらく来季の監督人事については、誰がSD職に就くかがターニングポイントになるはずだ。

 一方、ピッチに目を向けると、膨れ上がった人件費を削減すべく、今夏は現有戦力の大量放出が現実的と見られている。

 MFユリアン・ドラクスラー、MFレアンドロ・パレデス、FWマウロ・イカルディ、DFティロ・ケーラー、そして今シーズンはほぼ戦力外となっていたDFレイヴァン・クルザワらがその有力候補。これまでチームの屋台骨として活躍してきたFWアンヘル・ディ・マリアの契約延長も暗礁に乗り上げており、クラブを去る可能性が高まってきた。

 また、異例とも言える完全ローテーション制で起用されてきたふたりの正GK、ケイロル・ナバスとジャンルイジ・ドンナルンマも、どちらかがパリを離れると見られている。去るのがナバスなら売却、ドンナルンマの場合はローン移籍になるだろう。

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