2022.04.11

ファン・ハール断言。オランダ伝統の4−3−3で勝つのは「難しい」。がん闘病中の名将はカタールW杯で有終の美を飾れるか

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 名将ルイ・ファン・ハールがオランダ代表監督として3期目の任をスタートさせたのは、2021年9月のこと。EURO2020のラウンド16でチェコにあえなく0−2で負け、ワールドカップ欧州予選グループGではトルコに後塵を拝するネガティブなムードを、まずは払拭しないといけなかった。

 本音を言うと、ファン・ハールはオランダ伝統の4−3−3ではなく、3−4−1−2に組み替えたかった。

70歳になっても眼光鋭いファン・ハール監督70歳になっても眼光鋭いファン・ハール監督 この記事に関連する写真を見る 「今のオランダ代表のメンバーは、決して世界のトップではない。3トップシステムを採用するには、右ウイングの質と量が足りない。強豪国相手に伍して戦うためには、4−3−3では難しい」

 彼はチームをそう分析していた。しかし、シーズン中は新たなシステムを作り込む時間的な余裕がない。選手たちも4−3−3で戦うことを希望していた。

「3−4−1−2へのシステム変更は、ワールドカップ予選を突破してからだ。その時間を作るためにも、プレーオフ行きをなんとしても避けないといけない」

 その目論見どおり、ファン・ハール率いるオランダ代表はラスト6試合を4勝2分の成績で駆け抜けて、見事にグループ首位でカタール行きを果たした。そして3月の国際マッチウイーク、ファン・ハール流3−4−1−2の新たな船出になった。

 デンマークとの親善試合は3月26日に組まれた。一度は25日の金曜日に開催されることで両国合意に達していたが、「1日でも多く新システムを練習してから試合をしたい」というファン・ハールたっての願いにより、スケジュールが変更になったのだという。

 合宿の冒頭では、ケガで試合に出ることのできないDFユリエン・ティンバー(アヤックス)、FWコーディ・ガクポ(PSV)もザイスト(オランダサッカー協会所在地。代表チームの活動はここで行なわれる)に集まり、ファン・ハールからシステムのレクチャーを受けていた。