久保建英には何が足りないのか。レアル・マドリードには完敗、レンタルバックへ求められること
レアル・マドリード戦に、マジョルカは本拠地ソン・モイスで0-3と完敗した。チーム力の差は歴然としていた。
先発して78分間プレーした久保建英の出来は、決して悪くはなかった。得意とは言えない左サイドでの出場になったが、与えられた役割は果たしていた。決定機に至るチャンスの起点になったり、準備していたFKを左足で狙ったり、タイミングをずらす絶妙なアーリークロスを入れたりした。フェデリコ・バルベルデ、ルーカス・バスケスと2人のイエローカードも誘発。また、守備でも堅実に門を閉ざしていた。
では、久保はレアル・マドリードのパス保有選手としての実力は示したと言えるか。レアル・マドリードの選手として迎えられるには、まだ必要なことがあるのだ。
レアル・マドリード戦に先発、後半33分までプレーした久保建英(マジョルカ)この記事に関連する写真を見る「左サイドは(久保が)現れたり、消えたりしていたが、試合を決することはできなかった」
スペイン大手スポーツ紙『アス』の久保に対する寸評は、過不足なく的確だった。
久保はレアル・マドリード陣営から間違いなく警戒され、厳しいチャージを受けていた。それは好選手の証拠と言えるだろう。鋭いボールの持ち出しやスモールスペースでの判断のよさなど、どれも脅威だった。
後半には自陣からカウンターを発動させ、ヴェダット・ムリキとのコンビネーションで完全に抜け出したところで、久保はL・バスケスに背後から倒された。歴戦のスペイン代表戦士より一歩前に出て、窮地に追い込んでいた。後半途中、L・バスケスはダニエル・カルバハルと交代で下がっているわけで、「局面での優勢勝ち」がこの瞬間、成立したとも言える。
この点でも久保のプレーは及第点だった。
しかし、久保に求められるのは、圧倒的な不利でもチームを勝たせる、あるいは負けさせない、超人的仕事である。それをやってのけてこそ、レアル・マドリードのようなビッグクラブの一員として迎えられる。「警戒すべき選手」から「恐るべき選手」に変身できるか。「チームの勝敗を決するようなリーダーシップ」と言い換えてもいいだろう。
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