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「PSG育成センター」出身者が他チームで続々ブレイク。10年連続CL敗退から抜け出すヒントとなるか (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

じっくり育てた至宝も移籍

 フィールドプレーヤーに目を移すと、トップチームの選手層の厚さを示すかのように、とりわけ中盤から前線のタレントの流出が顕著だ。

「近年のPSG育成センター最高傑作」との呼び声高いフランス代表MFアドリアン・ラビオ(26歳)とFWキングスレイ・コマン(25歳)のふたりも、経緯は違えど現在は国外の名門クラブで活躍する。

 先にパリから出て行ったのは、1歳下のコマンだった。現レアル・マドリード監督のカルロ・アンチェロッティ監督の下、16歳の時にクラブ史上最年少でトップデビューを飾ったコマンは、当時から抜群のスピードとドリブルテクニックで大きなインパクトを与えた。だが、さすがにトップチームでのプレーは限られた。

 そんななか、ロラン・ブラン体制下の2014年夏、PSGとの契約延長を拒んでユベントスに移籍。セリエA初年度で14試合に出場したあと、2015年夏にバイエルンにローン移籍して現在に至る。2シーズン前、PSGとのCL決勝戦で決勝ゴールを決めたコマンを見て、アル=ヘライフィ会長は何を思っただろうか。

 一方のラビオは、アンチェロッティ監督がトップチームに引き上げ、将来の主軸MFとしてクラブがじっくり育て上げた至宝だ。ところがデビュー7年目の2018−19シーズン、PSGとの契約延長を頑なに固辞。約半年にわたってメンバー外とされた末、フリートランスファーでユベントスに移籍した。

 2017年夏にブレーズ・マテュイディがユベントスに移籍し、いよいよラビオの時代が到来したと見られていた矢先の出来事だった。先輩を追ってトリノに旅立ったことは、PSG育成センター出身者に少なくない影響を与えたことは間違いないだろう。

 現在ローン先のマルセイユで活躍し、フランス代表デビューも果たしたMFマテオ・ゲンドゥージ(22歳)も、6歳から15歳までPSG育成センターで過ごした選手だ。その後、早い段階でロリアンの育成センターに移ったゲンドゥージは2018年にアーセナルに青田買いされると、初年度からプレミアリーグに適応し、その名を知らしめる存在になった。

 なにかとピッチ外の話題が多いゲンドゥージだが、現在の活躍ぶりを見ればその才能が非凡であることに疑いの余地はない。本人の希望どおり、今夏にマルセイユが買い取りオプションを行使することがほぼ確実視されている。

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