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本田圭佑、イタリアでの激動の日々。ミランが伝えたのは、サッカーへの真摯な姿勢

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • photo by AFLO

『Racconti Rossoneri(ロッソネロ話集)』は昨年の7月からスタートしたミランの公式ポッドキャストだ(残念ながら現在放送はイタリア語のみだが、英語バージョンの用意をしているという)。ミランの古今のエピソードを、当事者の生の音声などもまじえて毎週金曜日に更新している。ミラン対ユベントス戦の歴史、サポーターのチーム愛、チャンピオンズリーグ(CL)のリバプール戦をはじめとする歴史的な一戦、アルベルト・ザッケローニ時代のスクデット秘話など、内容は多岐にわたる。

 これまで所属した選手の紹介もあり、1月末の配信では本田圭佑(スードゥヴァ・マリヤンポレ/リトアニア)が取り上げられた。本田がミランに移籍したのは2014年1月。それから8年がたった今、ミランがどんな評価を本田に与えているのか、この放送からうかがうことができる。ポッドキャストの内容とともに本田のミラン時代を振り返ってみたい。

現在はリトアニアのスードゥヴァ・マリヤンポレでプレーする本田圭佑現在はリトアニアのスードゥヴァ・マリヤンポレでプレーする本田圭佑この記事に関連する写真を見る 本田の回のタイトルは「デビッド・クラレンス・本田」。本田は和製デビッド・ベッカムであり、クラレンス・セードルフであるという意味らしい。

「本田は日本のベッカムだ。ファッションに気を配り、涼しい顔で世界を渡り歩く。仕事に向かうプロフェッショナルな姿勢や企業家精神に富むのはセードルフと同じだ。ただし彼ほど激情的ではない」

 また、ベッカムとセードルフとのもうひとつの共通点として、ミラノの街を愛していたことを紹介している。

「本田はミラノの街をそぞろ歩くのが好きだった。多くの博物館や美術館も巡ったという」

 ナレーションは続く。

「彼は中田英寿に匹敵する日本サッカー界のアイコンであり、頭を高く上げて世界を巡る。中田はローマでスクデットを勝ちとったなら、本田はサン・シーロでのスタンディングオベーションを勝ちとった」

 2017年5月、本田のサン・シーロでの最後の試合で、彼は見事なFKをゴールに突き刺した。万感の思いがこみ上げたのか、しばらくその場から動けない本田にチームメイトが駆け寄り、ミラニスタは思わず立ち上がって拍手を送った。

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