凍る欧州の移籍市場。バルサのフェラン・トーレス獲得が最大のディールか
現在、ヨーロッパでは冬の移籍マーケットがオープンしているが、いまのところ、大型移籍と言えるようなディールは成立していない。
これまでの主な移籍としては、シャビ・エルナンデス新監督がチーム再建を進めるバルセロナが、マンチェスター・シティからスペイン代表FWフェラン・トーレスを獲得。今シーズンの冬の移籍としては、現時点で最高額となる5500万ユーロ(約71億円)を投じたことが、最も目立った動きと言える。
周知の通り、現在のバルセロナは財政難に陥っている。そのため、この冬にフィリペ・コウチーニョのアストン・ビラへの、買い取りオプション付きのローン移籍を成立させたほか、将来を見据えて昨夏にラピド・ウィーン(オーストリア)からローンで獲得したユスフ・デミルを半年で返却。セルヒオ・アグエロが突然の病気発覚によって現役を退いたことも含めて、多少の経費削減に成功したことで、何とかフェラン・トーレスを手にした格好だ。
この冬、マンチェスター・シティからバルセロナに移籍したフェラン・トーレスこの記事に関連する写真を見る マーケットの主役であるイングランドのプレミアリーグ勢では、コウチーニョを補強したアストン・ビラが、エバートンからフランス代表左SBリュカ・ディニュを3000万ユーロ(約39億円)で獲得。逆に、ディニュを失ったエバートンは、ディナモ・キエフ(ウクライナ)から22歳のウクライナ代表左SBヴィタリー・ミコレンコを2350万ユーロ(約30億円)で補強した。
積極的な動きを見せているのがニューカッスルで、アトレティコ・マドリードからイングランド代表DFキーラン・トリッピアーを1333万ユーロ(約17億円)で、バーンリーからニュージーランド代表FWクリス・ウッドを3000万ユーロ(約39億円)で、それぞれ獲得している。
ニューカッスルは、昨年10月にサウジアラビア資本が加わったことで資金力を高めており、この冬の移籍期間中に、まだ新たな戦力の獲得を実現させる構えを見せている。
一方、これまで移籍マーケットを先導してきた各国のビッグクラブは、こぞって静観の姿勢だ。
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