リーガで超元気なアラフォー戦士たち。モドリッチは唯一無二の存在、ホアキンは40歳に思えぬプレーぶり (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【赤ワインのような奥深い味わい】

 昨年10月19日のシャフタール・ドネツク戦(チャンピオンズリーグ)以来、10連勝を含む公式戦15試合無敗を続けたレアル・マドリードにおいて、このアトレティコ戦までの11試合でスタメン出場を続けたモドリッチは、昨年9月9日に36歳になった。しかし今シーズンのプレーぶりを見るにつけ、バロンドールを獲得した2018年よりも充実した時期を過ごしていると言っても過言ではない。

 卓越した技術とセンス、一瞬で局面を変える創造性豊かなパス供給はもちろんのこと、守備時には相手の意図を読み切っているかのようなツボを得たポジショニングと球際の巧さでボールを奪取。汗かき役にもなれる背番号10番は、カゼミーロ、トニ・クロースとの鉄板中盤トリオのなかでも、ひと際輝きを放つ。

 最近のモドリッチのプレーには、まるで年月が経って熟成する赤ワインのような奥深い味わいが感じられるのだ。

 それだけではない。2008年から昨年までクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2大スターが独占するバロンドールで、唯一その称号を手にした偉大な存在であるにもかかわらず、エゴイズムらしきものを一切感じさせないことも賞賛に値する。

 逆に言えば、だからこそ30代になってからも自らの価値をより高めることができ、36歳になった現在も唯一無二の存在として輝けるのだろう。すべての人のお手本になれる理想的プロフットボーラー像。現在のモドリッチは、確実にその領域に足を踏み入れている。

 一方、決定力によって存在感を示しているベテランもいる。その代表格が、グラナダのFWホルヘ・モリーナと、ラージョ・バジェカーノのFWラダメル・ファルカオだ。

 39歳のホルヘ・モリーナは、下部リーグで長い下積み時代を経て、ベティスの低迷期を支えた苦労人。しかし、30代になってもヘタフェや現在のグラナダで主軸を張っている。

 とりわけ今シーズンは、序盤から不振が続いたグラナダのスーパーサブとしてプレーするなか、スタメン出場を果たした第15節アスレティック・ビルバオ戦で出色のパフォーマンス。その後も好調を維持してスタメンを確保する。

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