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カタールW杯一番乗りのドイツ。新監督と絶妙な選手構成でリベンジを期す (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 たとえば32歳のトーマス・ミュラーは監督の信頼が厚く、31歳のイルカイ・ギュンドアン、35歳のGKマヌエル・ノイアーもそのまま使い続けている。

 バランスを保つのに重要な20代後半の中堅もしっかりと存在する。バイエルンのMFレオン・ゴレツカとヨシュア・キミッヒ、パリ・サンジェルマンのユリアン・ドラクスラー、チェルシーのアントニオ・リュディガー、モナコのケビン・フォラントらだ。

 なかでも新たなドイツの核となりうるのはバイエルンの26歳、セルジュ・ニャブリだ。背番号10をつけ、W杯予選ではこれまで5ゴールとチームで一番多くの得点をあげている。同じくバイエルンの25歳、レロイ・サネとともに、新生ドイツのキーとなる選手である。どちらもアフリカの血を引いており、ドイツの生真面目でハードなプレーに色彩を与えてくれる。

 その下の世代も順調に育ってきている。筆頭はチェルシーの22歳、カイ・ハバーツ。チェルシーのチャンピオンズリーグ優勝に貢献し、ユーロ2020でも活躍を見せ、多くのビッグクラブが触手を伸ばしていると言われる。カタールでブレイクするかもしれない注目の若手のひとりだ。

 バイエルンのFWジャマル・ムシアラ、レバークーゼンのMFフロリアン・ヴィルツはともに18歳。あまりにも若く、最終的にメンバーに入るかどうかはわからないが、クラブではすでに多くの試合に出ており、結果を残している。覚えておいてほしい選手たちだ。

 このままフリックのチーム作りがうまくいけば、ドイツは優勝候補の3本の指のなかに入ってくるだろう。ドイツはただ参加するためにカタールに行くのではない。ここ数年の不振のリベンジを果たすため、本気で優勝を狙いにいくのは確かだ。-

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