新監督シャビは救世主ではなかった。バルサ、ホームでのドローでCL敗退の危機
チャンピオンズリーグ(CL)第5節。バルセロナのベンフィカとのホーム戦は、ロナルド・クーマンが退任し、暫定のセルジ・バルファンをはさんで新監督に就任したシャビ・エルナンデスにとって、2試合目。CLでは初の試合となった。
グループリーグのE組(バイエルン、バルサ、ベンフィカ、ディナモ・キエフ)は、バイエルンがすでに首位通過を決め、バルサ(勝ち点6)はベンフィカ(同4)と2位の座を争う関係にある。バルサの最終戦の相手は、第1戦、ホーム戦にもかかわらず0-3で大敗したバイエルンだ。
対するベンフィカの最終戦の相手は、すでに脱落が決まっているディナモ・キエフだ。E組の2位と3位の対決は、バルサのほうが勝っておきたい試合だった。
ところが結果は0-0。バルサにとっては悔やまれる痛い結果となった。グループリーグ突破を逃すとなれば、クラブ史において2000-01シーズン以来史上2度目、21シーズンぶりに味わう屈辱となる。
リスボンのダ・ルスで行なわれた第1戦のアウェー戦では3-0で敗れているバルサにとって、この日のベンフィカ戦が切羽詰まった戦いだったことは理解できる。クラブ史を汚すことになりかねない大一番に臨むシャビ新監督に、重圧がかかっていたことも想像に容易い。
エスパニョール戦、ベンフィカ戦と、ここまで2試合で指揮を執ったシャビ・エルナンデス(バルセロナ)この記事に関連する写真を見る だが、シャビがこの一戦に3-4-2-1で臨んでくるとは、こちらの想像を超えていた。5バックになりやすい守備的な3バック。前任者のクーマンも、まれにこれに近い布陣で戦ったことがある。しかしシャビは、バルサのスピリットをクーマン以上に備えた人物と思しきクラブの生え抜きだ。攻撃的サッカーの看板を掲げ、勝利と伝統のスタイルを守りながら、それぞれをクルマの両輪のように追求するものと思われた。
ところが、シャビはそうした期待を完璧に裏切った。従来のバルサ的ではない手法でベンフィカ戦に臨み、その結果、0-0で引き分けてしまった。部外者としても心配になる、バルサらしくない姿を世界的にさらすことになった。
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