久保建英の第2章。復帰するマジョルカの現状とレアルでプレーするためのシナリオ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

「第2章」

 スペイン・マジョルカの地元一般紙『Ultima Hora』は、そんな見出しで伝えている。

 2021-22シーズン、久保建英(20歳)は再びマジョルカでプレーすることになった。パスを所有するレアル・マドリードからのレンタルで、2年ぶりの在籍となる。"第1章"では35試合出場4得点。2308分の出場は攻撃の中心だっただけに、現地は歓迎ムードだ。

 年俸は200万ユーロ(約2億6000万円)、レンタル料はなし、買取オプションもなし。言ってみれば、マジョルカでの立場は「傭兵」となる。マジョルカを1部に残留させ、レアル・マドリードで活躍する足がかりにする。それが物語のシナリオだ。

 昨シーズン、久保はビジャレアル、ヘタフェで苦難を味わっている。シーズンを通じて31試合に出場したが、3分の2は途中出場で、出場時間は1092分だった。ビジャレアルでは優勝したヨーロッパリーグのグループリーグ突破に貢献し、ヘタフェでは残留を決めるゴールも叩き込んだが......。

 久保がレアル・マドリードに戻るには、改めて実力を示さなければならない。

 レアル・マドリードでは、まず3人のEU外選手枠の問題がある。現時点の外国人枠の選手はヴィニシウス・ジュニオール、エデル・ミリトン、ロドリゴ、ガレス・ベイルの4人。彼らを超えるには、実績が必要だ。

 久保はすでにマジョルカ入りしており、チームのメディカルチェックを終了。8月14日、本拠地ソン・モイスでの開幕節ベティス戦でメンバー入りする可能性も十分にあるという。

「マジョルカ久保物語」――その第2章の行方は?

東京五輪では全6試合に先発。大会後すぐにスペインへ渡った久保建英東京五輪では全6試合に先発。大会後すぐにスペインへ渡った久保建英この記事に関連する写真を見る「タケ・クボが来るかもしれないぞ。イマノル(・アルグアシル)監督も気に入っている!」

 レアル・ソシエダの関係者からそんな一報があった時は、これは決まるんじゃないか、という予感があった。レアル・ソシエダはリーグ上位で、ボールありきのプレーを信条とする攻撃型クラブ。久保が化けるのには最適の環境と言える。ただ、実際に交渉はあったようだが、契約には至らなかった。

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