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ユーロで3バックシステムが流行。森保ジャパンの参考になるのはどれか?

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 サッカーの最先端を行くヨーロッパのクラブシーン。ユーロはそこで活躍する選手たちで編成される代表チーム同士の戦いだ。それだけに、代表チームが採用する布陣(システム)が、その時の戦術的流行を示す傾向が一層強くなる。

 今回のユーロ2020にも、一つのトレンドがはっきりと見て取れる。それは、3バック(5バック)のチームが急増している点だ。

ユーロ,ユーロ2020,3バック,森保ジャパン,日本代表,戦術,システムユーロ,ユーロ2020,3バック,森保ジャパン,日本代表,戦術,システム 出場24チームのなかで、3バックをメインとして戦ったのは計12チーム。さらにラウンド16では、左サイドバック(SB)2人が負傷欠場したフランスほか、イングランド、ウクライナが、それぞれ3バックを採用した(フランスは前半のみ)。それらを含めると、ラウンド16までの44試合で、3バックを使ったチームは、24チーム中15チームにもおよぶ。

 ちなみに、2016年にフランスで開催された前回大会で、3バックを基本布陣としたチームは、イタリアとウェールズのみだった。この5年間で、いかに3バックシステムがヨーロッパで流行しているかがわかる。

 とはいえ、同じ3バックでも、それぞれのチームによってその目的や運用方法は異なっている。そういう意味では、単純に3バックを採用するチームが増えたというよりも、3バックのバリエーションが豊富になったと言ったほうがいいのかもしれない。

 今大会で見られる3バックを大きく分けると、守備重視型の5バック的3バック、選手のクオリティを大前提とした強豪国型の3バック、そして状況によって柔軟に変化する応用型の3バックと、3つに分類できる。

 まず、守備重視型の3バックは、各グループのポット3~4のチームがメインで採用するケースが多かった。フィンランド、スコットランド、ハンガリー、ポーランド、北マケドニア(オランダ戦では4バック)、ロシアが、それにあてはまる。

 最大の特徴は、自陣深い位置でしっかり守り、ボールを奪ったら縦に速いカウンターで勝負をかける堅守速攻スタイル。当然、相手に押し込まれることを前提としているので、最終ラインが5バックになって守る時間は長くなる。3バックのデメリットを受け入れたうえで、かなり割り切った戦い方に勝機を見出すのが目的だ。

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