ユーロで3バックシステムが流行。森保ジャパンの参考になるのはどれか? (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
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◆ユーロでマイナーGKが大活躍。今夏の移籍市場で価値が爆上がりしそうな3人>>

 さらにラウンド16のウェールズ戦では、4-1-4-1の相手に対して中盤で数的不利に陥ったと見るや、すかさずキャスパー・ヒュルマン監督は開始12分にシステム変更。3バックの右を務めたアンドレアス・クリステンセンをアンカーに配置した4-3-3に変化させると、これが試合の流れを大きく変えるきっかけとなった。

 このように、同じ3バックでも、チームによって運用方法と使用目的が異なっているのが、今大会の3バックのトレンドだ。かつてのように「3バック(5バック)は守備的」という単純な構図ではなくなっており、非日常の活動である代表チームの戦術でも、3バックの多様性が生まれ始めている。

 翻って、3バックをプランBとしている森保ジャパンはどうなのか。

 森保一監督の就任以来、これまでAマッチ38戦を行なったが、欧州組を含めたチームで3バックを採用したのは4試合。試合開始から3-4-2-1を使ったのは、2019年6月5日のトリニダード・トバゴ戦と、同月9日のエルサルバドル戦の2試合しかない。

 残り2試合は、2020年10月9日のカメルーン戦の後半と、先月15日のキルギス戦の後半68分から。つまり、公式戦で使ったのは約20分強になる(キルギスとのW杯アジア2次予選)。プランBとするには、あまりにも使用回数が少ない状況だ。

 しかも、その目的と運用方法はまだ明確化されていない。攻撃的に使いたいのか、守備重視で使いたいのかも曖昧な状態。このままでは、ロシアW杯後の3試合(昨年9月の2試合と11月の1試合)でしか3バックを試していなかった、今回のユーロのフランスの二の舞いを演じかねない。

 そういう意味では、今回のユーロで見られるさまざまな3バックを参考に、日本に適したものをいち早く見つけ出す必要があるだろう。

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