南野拓実の現地での本当の評価。監督と地元番記者の考えは正反対だ

  • トム・プレントキ●文 text by Tom Prentki
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

「間違いなくある」

 プレミアリーグ最終節前日の記者会見で、サウサンプトンのラルフ・ハーゼンヒュットル監督に「来シーズンも南野と共に仕事をする可能性はありますか?」と筆者が質問すると、53歳のオーストリア人監督はそう答えた。

シーズン後半から移籍したサウサンプトンで、2ゴールに終わった南野拓実 photo by Getty Imagesシーズン後半から移籍したサウサンプトンで、2ゴールに終わった南野拓実 photo by Getty Images 翌日のウェストハム戦で、南野は序盤の決定機を惜しくも外してしまったが、おそらく指揮官の評価はさほど変わらないだろう。彼はこの半年間、26歳の日本代表ストライカーを高く評価してきた。たとえ、外野がなんと言おうとも。

 1月にリバプールから半年の期限付きで加入した南野は、出場3試合で2得点を奪う好スタートを切ったものの、以降はゴールもアシストも記録できなかった。それでも指揮官は、彼の攻守に渡る貢献を称えてきた。

「(来季の去就については)いずれ、わかるようになる」とハーゼンヒュットル監督はつづける。

「今はまだ、来季の前線にどんな選手が必要になるのかもわからない。リバプールとは何度か話したが、彼らもまだ判断できないようだ。今季について言えば、彼(南野)は出場機会を得ることが、何よりも重要だった。我々はそれを提供し、彼と共に過ごした時間を楽しんだ」

 サウサンプトンは今季、後半戦を迎える頃に調子を落とし、そのまま黒星が先行。最後は15位でシーズンを終えた。監督は来シーズンに向けて、オーナーに新戦力の要望を出したようだ。そのなかに南野の名前はあるのだろうか。

「強調しておかなければならないのは、彼は出場した試合で、チームに活気をもたらしてくれたということ。ファンタスティックなゴールを2つ決めたし、彼のメンタリティーやキャラクターはこのチームに本当に合っている。リバプールのような名門が彼を欲しがった理由も、よくわかるよ。彼はここでも良い働きをし、プレミアリーグで通用することを証明したのだ」

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