遠藤航と長谷部誠に共通する強いメンタルと欧州で成功するためのスキル (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 長谷部が37歳にして活躍していることは、遠藤にとって後押しになる可能性はある。日本人だからといって誰もが長谷部のように歳を重ねても輝けるわけではないし、長谷部自身の努力も見落としてはいけないが、遠藤は長谷部に勝るとも劣らないほど目的意識が高く、そこに向けて努力をしてきた。だからこそ、長谷部が活躍すれば、同じような強いメンタリティーを持つ遠藤を評価する強豪クラブが現れるのではないかと願っている。

 フランクフルトでは、鎌田大地も存在感を放っている。しかし、同じチームの長谷部に比べるとまだ甘さを感じてしまう部分もある。その理由は、トップ下で起用されながら、得点への貪欲さが見られないことだ。ヨーロッパでこのポジションを任されたら、得点こそが評価の基軸。それを本人もわかっているはずだが、アシストへと向かう傾向が見られる。このあたりを改善できれば鎌田の評価はもっと高まっていくはずだ。

◆冨安健洋の移籍先はプレミアの可能性大。出場記録ストップもいい機会だ>>

 冨安健洋(ボローニャ)は世界的に見て、日本人選手で今もっとも評価が高いのではないか。昨季はボローニャで右サイドバックとして起用され、今季はセンターバックでスタートしたものの、攻撃力を生かすために再び右サイドバックで使われながら試合出場を重ねている。

 2月20日の第23節サッスオーロ戦まで全試合にフル出場したが、これはセリエAのフィールドプレイヤー全選手で唯一。第24節のラツィオ戦を前に故障して全試合出場は途切れてしまったが、それまでの起用のされ方からもシニシャ・ミハイロビッチ監督からの信頼と期待の厚さが伝わってくる。

 冨安は今年11月で23歳になるが、シーズンオフに新たなステップアップを果たすのは間違いないだろう。どのリーグのクラブに移籍するかは楽しみなところだが、来季はELやCLの舞台で冨安のプレーが見られるのを心待ちにしている。

 その冨安のいるセリエAでは、吉田麻也(サンプドリア)も存在感を示している。サンプドリアはボローニャと同じく10位前後を上下しているが、そのチームで吉田はスタメンを確保している。途中出場もあるが、そうした試合でも攻守でしっかりアピールし、自身の評価を高めている。

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