遠藤航と長谷部誠に共通する強いメンタルと欧州で成功するためのスキル

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■これから終盤戦に入っていく、ヨーロッパ各国リーグ。激しい順位争いが行なわれるなか、現在の日本人選手のプレーぶりはどうだろうか。活躍している選手は誰か。福田正博氏に解説してもらった。

 遠藤航(シュツットガルト)がブンデスリーガ第23節のシャルケ戦で、リーグ初ゴールとなった先制点を含む、2ゴール2アシストの大活躍を見せた。

シュツットガルトで大活躍中の遠藤航シュツットガルトで大活躍中の遠藤航 これによって攻撃面がクローズアップされる格好となったが、今シーズンのプレーを振り返れば格段の驚きはない。「あれくらいできるレベル」というのが正直な感想だ。

 今シーズンから初めてブンデスリーガ1部を戦っている遠藤だが、開幕当初からボランチとしてリーグでも指折りの評価を受けている。1対1のデュエルでの勝敗を示すスタッツで、リーグ最多の300回超えを記録。ボールを奪い、攻撃に転じる起点となる部分がフォーカスされてきた。

 しかし、遠藤が昨シーズンから大きく成長したのは、そのあとの動きにあると見ている。ゴール前へと攻め上がり、シュートシーンにも顔を出すようになったことだ。こうした動きは日本代表の試合でも発揮されている。

 ゴール前に押し込んだあと、相手にボールを奪われても、遠藤がバイタルエリア(ペナルティーエリア手前)付近で再びそのボールを回収することで、2次攻撃、3次攻撃が繰り出せるようになった。

 日本代表にとって遠藤の充実ぶりは大きい。これまでボランチの軸は柴崎岳が務めてきたが、これからは遠藤が中心に座るのではないかと予想する。守備力に秀でた遠藤を置き、そのパートナーには対戦相手に合わせて特長の異なる選手を使い分けていくのではないか。

 シュツットガルトは第23節終了時で10位。昇格1年目と考えればよくやっている。ただ、その中心選手である遠藤にはもう一段、二段高いレベルのチームでプレーしてもらいたいところだ。

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