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遠藤航と長谷部誠に共通する強いメンタルと欧州で成功するためのスキル (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 今シーズンに受けている高い評価を考えれば、ヨーロッパリーグ(EL)やチャンピオンズリーグ(CL)出場を狙うレベルのクラブからオファーがあっても不思議はない。だが、ネックになりそうなのは遠藤の年齢だろう。2月9日に28歳になったが、20歳前後でビッグクラブへの階段を上り始めるヨーロッパサッカーにおいては、若いとは言えない。

 そうしたなかで遠藤が今オフにレベルアップできるクラブへと移籍するためには、今シーズンの残り試合で定評のある守備力を落とさずに、ゴールをさらに決めていってもらいたいと思う。そうすれば自ずと道は開けるはずだ。

 欧州や南米の選手に比べて、日本選手は成長のピークが遅い傾向にあると感じている。もちろん相応の努力をしている選手に限るのだが、逆の見方をすれば、それゆえ息の長い現役生活を送る選手が少なくない。それを顕著に体現しているのが長谷部誠(フランクフルト)だと思う。

 今年1月に37歳になったが「年齢が高いわりに頑張っている」というレベルではなく、プロの世界の厳しい目のなかで、プレーが高く評価されているのだ。それは、長谷部が高い目的意識と自身を律する精神力を持っているからこそである。

 今季の長谷部は、序盤はリベロで出場していたが、第14節のレバークーゼン戦でジブリル・ソウと中盤の底でコンビを組むと、以降はボランチに定着した。長谷部が中盤の底で構えることでチームに安定感が生まれ、改めて存在感の大きさを示した。

 彼はプレーそのものもすばらしいが、キャプテンを任されていることからもわかるようにドイツ語でしっかりコミュニケーションを取れることが大きい。それによって的確に指示を出してチームをまとめている。海外育ちではない長谷部が言語を操れるのは、トレーニングの賜物。これから海外でサッカー選手として食べていこうとしている若い日本人選手には、長谷部が身につけたこうしたスキルを最も見習ってもらいたいと思う。

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