度肝を抜いた超絶ボレー。クライフ、ジダン、李忠成らが決めた歴史的瞬間 (4ページ目)
あるとき、ロマーリオは順番待ちをするロナウドと、ひそひそ話を始めた。なにやら悪ふざけを企んでいる様子だった。ターゲットにされたのはゴールライン付近で練習を眺めていた報道陣。ロマーリオがその1人をボレーで狙おうとする計画を立て、ロナウドに「いまから狙うから見ていろ」と伝えた、おそらく。
恐ろしいことにというか、見事にというか、ロマーリオは悪漢らしく、直後の一球で、ターゲットを仕留めることに成功した。餌食になった報道陣の1人が、悶えるように痛がる姿を見て、傍らのロナウドは、「この人、信じられない」という顔で、思わず後ずさりした。
手でラケットを操作するテニスプレーヤーでも難しいとおぼしきテクニック。まさに震え上がるような精度だった。筆者が最も間近で見たスーパーボレーと言えば、この一件となる。
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