南野拓実、待望のプレミア初ゴールのプレーはどこが優れていた? (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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Answer
フェイントを入れてDFをかわし、角度をつけてシュート

 最初のポイントは、リバプールが前のプレーで左サイドから右サイドへとサイドチェンジした際の、南野のポジショニングだ。

南野はキックフェイントを入れてのトラップから、ファーサイドにシュートを蹴り込んだ南野はキックフェイントを入れてのトラップから、ファーサイドにシュートを蹴り込んだ 左サイドの南野は中央に絞りながら相手のボランチ横のスペースで、フリーとなるポジションを取っていた。このあとゴール前でボールを受けるまで、南野を捕まえる選手はいなかった。

 次のポイントは、トレント・アレクサンダー=アーノルドから、ペナルティーエリア内に走り込んだマネへロングフィードが通った時。クリスタルパレスのDFナサニエル・クラインは、ファーサイドのロベルト・フィルミーノのマークについていたことだ。

 クラインが南野の姿を捉えた時、南野はペナルティーエリア中央でフリーとなり、マネにパスを要求していた。クラインはパスが出た瞬間に南野へ寄せに行ったが、この場面での主導権は、スペースと時間に余裕がある南野のほうにあった。

 ボールを迎えに行きながら、クラインが寄せてくるのを視界に捉えた南野は、キックフェイントを入れてからコントロール。もちろん、クラインを滑り込ませるためだ。

 そしてもともとGKがニアサイドで構え、帰陣したガリー・ケーヒルもニアのコースを消しに来ることがわかっていた南野は、ツータッチ目で少し大きくボールを動かしてから、角度をつけてファーサイドへとシュートを打ち込んだ。

 DFに少しボールが当たったものの、南野はイメージどおりのフィニッシュワークで、鮮やかなプレミア初ゴールを飾った。

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